ベルベットのやわらかさ|知る人ぞ知る名門 コンセルトヘボウ管のまろやかさと透明感の秘密
ここまで、
絹の響きのウィーン・フィル、
黒鉄の圧のベルリン・フィルを
紹介してきました。
詳しくは、
こちらをご覧ください。
今回ご紹介するのは、
この2つと並び称される
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団です。
このオーケストラの響きは、
私にはやわらかく、まろやかで、
透明感のあるベルベットのような音に
感じられます。
この記事では、
知る人ぞ知るコンセルトヘボウ管の
魅力に迫っていきます。
コンセルトヘボウ管とは
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団は
オランダの首都アムステルダムを
本拠地とするオーケストラです。
1888年に設立され、
同時期に開かれた本拠地のホール、
コンセルトヘボウと共に
歩んできました。
このホールに関しては、
こちらで詳しく解説しております。
唯一無二の響きを持つとされる、
このホールによって育まれた
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の
響きは非常に美しいです。
やわらかく響く弦楽器、
まろやかなのに透き通った管楽器と、
ベルベットの肌触りのようになめらかな響きです。
私の印象ではウィーンフィルの美しさ
ベルリンフィルの力強さの、
ちょうど中間をいくような感じです。
ウィーンフィル、ベルリンフィルと並び、
世界を代表するオーケストラの一つとして
高く評価されております。
おすすめ演奏
コンセルトヘボウ管の
ベルベットのような響きが
よく伝わる作曲家を選びました。
ぜひ一つ聴いてみてください。
マーラー
まずおすすめしたいのは、
グスタフ・マーラーです。
この楽団には、古くから
強いマーラー伝統があります。
実際にマーラー自身が
この楽団を指揮しています。
また、メンゲルベルクという
指揮者の影響も強いです。
メンゲルベルクは長くこの楽団を
率いて名声を高めました。
そしてメンゲルベルクは
マーラーの影響を強く受けています。
コンセルトセボウ管とマーラーとの
間には強い結びつきがあるのです。
私は、
コンセルトヘボウ管の
真価を知る入口として、
マーラーが最適だと感じます。
今回はマーラー:交響曲第5番の
第4楽章アダージェットを選びました。
コンセルトヘボウの美しさが味わえます。
リヒャルト・シュトラウス
次に選んだのは
リヒャルト・シュトラウスです。
シュトラウス自身も
この楽団を何度も指揮しています。
さらにメンゲルベルクもまた、
シュトラウスの音楽を大切に
取り上げてきました。
シュトラウスの代表作
《英雄の生涯》は
メンゲルベルクとコンセルトヘボウ管に
献呈されています。
シュトラウスの魅力は
オーケストラの魅力を最大限に引き出す
巧みな作曲にあります。
シュトラウスの
巧みなオーケストレーションで
最大限に引き出された
コンセルトヘボウ管の魅力を
最大限に浴びることができます。
それでは、《英雄の生涯》をぜひ
聴いてみてください。
力強い美しさを感じられるでしょう。
チャイコフスキー
最後に選んだのは、
ピョートル・チャイコフスキーです。
チャイコフスキーの魅力は、
まず美しい旋律にあります。
親しみやすく、
すっと耳に入ってくる歌が多いです。
ただ、チャイコフスキーの魅力は、
それだけではありません。
ぐっと前へ進む力強さも感じられます。
やさしく歌うだけでなく、
しっかり押し出す力もあるのです。
コンセルトヘボウ管は、
その二つの魅力を
最大限に引き出してくれます。
弦楽器はなめらかに美しく歌い、
厚みのある響きで力強さも
しっかり示してくれます。
この楽団の歌心としなやかさを感じるには、
チャイコフスキーはぴったりです。
今回は、交響曲第5番を選びました。
美しい旋律と力強い流れの両方がよく表れ、
コンセルトヘボウ管の魅力を味わえます。
まず一曲聴くなら、ぴったりの演奏です。
コンセルトヘボウ管と指揮者
コンセルトヘボウ管には
首席指揮者が存在します。
メンゲルベルクが
築いた基礎を受け継ぎながら、
その後の指揮者たちによって
さらに磨かれてきました。
ここでは、
その流れを支えた
2人の指揮者を
ご紹介します。
ベルナルト・ハイティンク(1961-1988)

まずご紹介したいのは、
ベルナルト・ハイティンクです。
ハイティンクの魅力は、
とにかく自然な呼吸にあります。
無理に音楽を動かしたり、
外から強く形を決めたりするのではなく、
楽団がもともと持っている美しさを、
そのまま自然に立ち上がらせてくれます。
前に出すぎないのに、
音楽の流れはしっかりと生きています。
その作り込みすぎない自然さこそが、
ハイティンクらしさだと思います。
今回は、
ベートーヴェンの交響曲第7番を選びました。
コンセルトヘボウ管らしい透明感のある響きと、
前へ弾むようなリズムのよさが、
特によく感じられます。
力で押し切るのではなく、
自然な流れのまま音楽が高まっていくところに、
このコンビのすばらしさがあります。
マリス・ヤンソンス(2004-2015)

次にご紹介したいのは、
マリス・ヤンソンスです。
ヤンソンスの魅力は、
演奏の精度の高さにあります。
音のそろえ方や流れの整え方が
非常に美しく、細かな部分まで
よく磨かれている印象があります。
ただ厳しいだけではなく、
その整え方が音楽の自然さを損なわないところに、
この指揮者のすごさがあると思います。
そして、現代的な感覚もあります。
響きは美しいままですが、
輪郭はより明確で、
音楽の運びにも無駄がありません。
少しのゆるみも許さず、
それでいて冷たくならないところに、
ヤンソンスらしさがあるように感じます。
ヤンソンスのもとで、
コンセルトヘボウ管がもともと持っている、
まろやかで透明感のある美しさが、
さらに引き締まって聴こえます。
今回は、
《ツァラトゥストラはかく語りき》を選びました。
壮大な曲ですが、響きはにごらず、
精密さと美しさがよく伝わります。
ヤンソンスとコンセルトヘボウ管の
魅力を知るのに、よい一曲です。
まとめ
コンセルトヘボウ管は、
ウィーン・フィルや
ベルリン・フィルと比べると、
日本ではやや知名度が高くないかもしれません。
それでも、この楽団にしかない、
まろやかで透明感のあるひびきは、
本当に見事です。
私はアムステルダムで
実際にこの楽団を聴いたとき、
そのひびきの美しさに深く感動しました。
ウィーン・フィルとも、
ベルリン・フィルともまた違う、
ベルベットのようなやわらかさ。
まだ聴いたことがない方には、
ぜひ一度聴いてみてほしいです。
きっと、この楽団ならではの美しさに
心を動かされると思います。
今回はここまで。
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